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ご本尊の違い それぞれの宗派によってご本尊はなぜ違うのでしょうか?日本の宗派は十三宗とされていますが、簡単に宗派の歴史、ご本尊に対する考え方にふれてみます。 日本で最も古いものは、奈良時代にできた南都六宗。その中で法相、華厳、律の三宗は現在も残っていて、釈尊をご本尊としています。 その後、平安時代になると、最澄と空海がそれぞれ天台宗、真言宗を中国から持ち帰ります。このうち空海の持ち帰った真言宗は、密教と呼ばれ、その考え方は直接宇宙の真理を読み、直接聞くことのできる姿形のない、そのものが宇宙というような仏様がいて、教えを説いているとするもの。この象徴が大日如来です。ですから、真言宗のご本尊は当然、大日如来となります。 その後、時代を経て、鎌倉時代に入ると、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、時宗といった新しい宗派が生まれます。これらの宗派の開祖たちは、みな天台宗の総本山・比叡山延暦寺で修行を積みました。しかし、時代が末世へ近づき、難行を積まなければ仏になれないというのでは、時間が足りないという考え方から、浄土宗、浄土真宗などは、お浄土にいる阿弥陀様に救っていただこうとする思想ができました。したがって、ここでは阿弥陀如来がご本尊となります。また、日蓮宗は法華経に拠っている宗派ですので、本来「南無妙法蓮華経」という題目がご本尊になります。 簡単ではありますが、以上のような各宗派の歴史的経緯からご本尊は決められていますので、自分の家の属する寺院・宗派のご本尊が何であるかわからない場合には、菩提寺の僧侶に訊ねてみると良いでしょう。
ご本尊のまつり方 寺院の中心となる本堂には、その寺院の属する宗派の定めや特別由緒のあるご本尊を中央に安置して礼拝しています。宗派や寺院によってさまざまな解釈をし、その一番理想とする仏をご本尊としているのです。ですから、仏壇の一番高い、中央にある宮殿におまつりするご本尊は、自分や一家の属する宗派によって決められたものを安置します。ふつう、木造の立像か坐像のご本尊をまつりますが、宗派によっては絵像や名号をまつるところもあります。ご本尊は、仏壇の中央上部に安置し、他の位牌と同じ高さにしないようにしましょう。
主な宗派のご本尊
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上州屋 |
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