世の中で一番大切なものは何かと聞かれるといろいろ想像されると思うが、行きつくところは自分自身であると思います。自分ほど大切なものはないが、日々の忙しさや、全てに早く早くの時代、時間は永遠に平等なのに、何か先へ先へと世の中全体が動いているように感じられます。 その忙しさの「忙」は文字の通り、心を忘れること。私たちは、心を失いかけているようです。 形あるものは、いつか欠けるのと同じで、一番大切である自分もいつかこの世を去らなければなりません。 遠いその日のようですが、過ぎ去った日はつかの間のようだと、すでに私も思いますし、多くの長老が実感しています。 当山宗祖のことばに「さればまず臨終の事を習(なろ)うて後(のち)に他事(たじ)を習うべし」とありますが、まさに当を得た名言で、一日一日を大切に、そして急ぐ時にも「一寸まて」というゆとり、たまには自分の来し方を反省し、行く末を考えるゆとりを持ち乍ら、限りある自分の人生を設計し、充実した悔いのない人生を歩まれますことを切望します。 |
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